海外旅行で最も興味があるのは、やはり「食」。
今回はフォーラムの参加と日本酒セミナー開催が目的だったけど、食事の時間はやっぱり楽しい。モスクワでもいろんなものを食べた。
リポートしてみよう。
お酒事情も合わせてご紹介だ。
初めてのアエロフロート。サービスはかなり良くなっているらしい。
ロシア上空でほかの飛行機を見つけた。
モスクワ近く。緑が豊か。イメージが違う。
モスクワのホテルで。中央からやや離れているが都会。
なにしろ都会。
本当に都会。
モスクワはパリやロンドンとあまり変わらない、まさに都会なのだ。
車が多く、道路のインフラが悪く、渋滞がひどい。これもまた都会らしいところ。
到着の日はホテルで夕食。バイキングの味はひどいものだった。火を入れた料理は素材の味もソースの味もほとんどせず、どことなく変な匂いがする。生野菜も全部微妙な匂いがする。水道水の消毒薬の匂いかもしれないが理由はわからない。だけど、これはこのホテルの「個性」だったみたい。翌日以降のレストランはどこもおいしかった。ワインやビール、ウォトカの種類はまずまず。
無事の到着を祝い乾杯。
ロシアのビールかと思ったら、チェコのビールだった。
どおりで、おいしいと思った(ロシアのビールよ、ごめん)。
こちらはスパークリングワイン。
ラベルにはっきり「ロシアン・シャンパン」と書かれている。
いいのかい?
フランスのシャンパーニュ委員会はこれを見逃しているのだろうか。
日本のスパークリング清酒は、ラベルに書かずとも、セミナーで資料に「シャンパン製法」と書いただけでシャンパーニュ委員会から訴えられたのだぞ。
泡が強くて力強い味。
街は色とりどりの美しさ。
9月の上旬、昼間は20度くらいで温かく、湿度がないのでとてもすがすがしい。
しかし、こんなに気持ちのいい空気になったのはここ10年くらいだとか。
それまでは排気ガスで街は曇っていたらしい。
クレムリンの名物「衛兵交代」。一時間ごとに行われる。タイミングよく見れた。長い足を高く上げ、規則正しい動きで規律正しく行う。よく見るとどの衛兵も顔と背丈がよく似ている。聞けばそういう人を選んでいるのだとか。みんな若くてイケメンだ。
クレムリン内でお目にかかった内田裕也氏。
すごいオーラだ。
なんでも番組の撮影だとか。
もちろん掛け声は、shake it up baby!
服部先生はすでにリポートしている「日本ロシアフォーラム」でご一緒。
窓が不規則なのは、「神様がお造りになった自然の造形物には左右対称なものは一つもないから」。だからこの教会の窓も一つ一つ違う造りになっているのだとか。今回のガイド&通訳のガリーナ女史に教わる。
同じように造る丁寧な技術力がなかった・・・・からでは決してないのである。
こちらはイタリア風の建築。凝った造形。うつくしい。
青空にゴールドが映え、まぶしい。
クレムリンも教会もゴールドがお好きのようだ。
教会の権力者が変わるたびに鐘を新しくする。新しくする際は前の鐘とともに新たな材料をプラスし、さらに大きな鐘を作る。そのため近年はこんなに大きい鐘になったとか。でも、火事で焼け、割れてしまった。そのまま展示してある。
片づけるのが面倒なんだろうな、きっと。
で、ここ。
赤の広場。
この教会は「聖ワシリイ教会」という。
ここを見なければ、ここで記念撮影しなければ、モスクワに来た意味がない。
ガリーナさんにここを見たいと伝えたけど、どうもうまく伝わらなかった。
それは、私がこの教会を「赤の広場」という名前だと思っていたからだ。
ワシリイ教会などという名前を知らなかったのだ。
「赤の広場で撮影したいのですが」と私。
「ハイハイ、モチロン行きマスヨ」とガリーナさん。
「ハイ、ココデスヨ、キレイですね、ユックリアルキマショカ」
「え? あ、はい、でも、あの、教会は?」
「キョウカイ?イマ通りましたよ」
へ?
たしかに、説明といっしょにあっという間に通り過ぎてしまった。
撮影の間もない。
一回りして戻ってくるのかと思ったが、どんどん離れていく。
ずっと先まで行ってから、
「いや、あの、あの教会の前で撮影をしたいのですが・・・」
「え? それはモウ無理、この道はモドレナイネ」
「ええーっ」
これは、「ワシリイ教会の前で撮影したい」と言わなければいけなかったんですね。
今後モスクワに行かれる方はお気を付け下さい。
ここは赤の広場ではなくワシリイ教会ですからね。
なんとか道路越しにパチリ。
遠いうえに、この日は何かイベントが行われていたようでテントも邪魔(涙)。
さてお昼は市場調査も兼ねて、和食店に。
人気の店「一番星」。
焼酎や日本酒のボトルが並ぶ。
日本酒のメニューも豊富でかなり細かい説明がある。
・・・・と思ったら、現在用意できるのは月桂冠のみとか。
(これは輸入業者に問題があるようだ、店がほしくても入ってこないとか)
ちなみに、梵の「夢は正夢」(1000ml)が19800ルーブル。日本円で7万円!くらい。
これは現地の日本人が飲むことが多いらしい。
月桂冠1合が1,700円、4合瓶が8,000円程度。
この日はなかったが浦霞禅が4合で18,000円くらい。
日本酒は高いが、基本的にロシアは全体に物価が高い。
メニューは日本酒と焼酎がごちゃごちゃに書かれている。これはわかりにくいぞ。赤ペン先生になっちゃいそう。
ロシアンビール、バルチカ(1杯500円くらいでお手頃)とともに巻き寿司。キリンやアサヒは800円くらい。
巻き寿司にはクリームチーズが入っていてちょっとびっくりするが、ロシア人好みだとか。ランチタイムには近隣のロシア人がたくさん来ている。
この店は安倍首相やゴルバチョフ元大統領も来店している。
一緒に映るはこの店のオーナー(?)氏。和食と日本のお酒をぜひ上手にご提供いただきたい。
こちらも和食店。「わび・さび」と読む。
チェーン店。
モスクワ(だけじゃないかもしれないが)、今やイタリアンとかフレンチでも、海苔巻きやお寿司を一緒に出す店が世界的に増えているらしい。
現にここモスクワでも、飲食店の看板やテントには「PIZZA SPAGHETTI SUSHI SASHIMI」などと普通に書かれている。一瞬驚く。二度見しちゃうよ。
こちらは本格的なロシア料理。
「カフェ・プーシキン」。有名な作家の名前。
1階は24時間営業のカフェ。2階は落ち着いたライブラリー式のレストラン。3階は本格的なディナーを楽しむ店。
本日は3階へ。
スタッフは昔の衣装を着てサービスする。話し方も昔のロシア語をわざと使っているらしい(よくわからんが、何かゆっくり厳かに話す感じでおもしろい)。
3階にはエレベーターで昇る。昔の雰囲気のままのエレベーター(もちろんシステムは近代的なもので周りをそういう設えにしている)。
いわゆる、中世のころの雰囲気を味わえるテーマパークレストランみたいなところなのだ。
キャビア。
これはいいものだ。
スプーンもちゃんと貝殻を使っている。
金属製のスプーンだと魚卵は味が変わってしまうから、正式には貝殻を使う。
このほか、チョウザメの燻製、鰻の燻製などの前菜が出される。
どれも脂っぽくてちょっと私の口には合わない。
サワークリームをたっぷりかけて、クレープ(プリニイ)とともに食べる。
メインの魚料理。
え?
魚じゃないだろうって?
魚です。
蝙蝠? ミイラ? スターウォーズのヨーダ? ハリポタのトビー?
違います。
魚ですって。
尾頭付きですって。
ロシア名での名前はわからん。なんど聞いてもわからんのです。
なんでも、モスクワ川に昔はたくさん生息していた魚で、とてもおいしい白身魚だとか。市民はみんな大好きで、すごくいいスープがとれる高級魚・・・なんだそうだ。今回の通訳であるガリーナさんも昔自身で釣ったことあるとか。
正直、怖い。
その魚をYOUTUBEの動画で見せてもらったら、どうやら、チョウザメの親戚みたいな魚だった。英語名では「スカーレット」。
食べてみると、確かにおいしい。出汁がよく出ている。臭みはない。軟骨みたいな食感があってコリコリしてこれは結構私好み。
ボルドーのアントル・ドゥー・メール(白ワイン)がおいしい。
ここは基本的な味付けが正統派フレンチという感じで、結構ちゃんとしているのではないか(上からでごめん、なにしろ怖いもんで)。
ちなみにワインはフランス産やイタリア産が多く(五大シャトーなども10~50万円で置いてある)、ロシア産はなし。残念。
ここでこそロシア産やその周辺のワインを置くべきではないのか。
メインのお肉料理5点盛り。
前菜の後これを一人で食べる人もいるとか。
ビーフ・ストロガノフ、ペリメニ、カツレツ、ピロシキ(春巻き風)、真ん中がパンの壷に入ったキノコと肉のスープ。
ペリメニは羊肉が入っていた。
日本の洋食屋さんみたいだ。
この後、横のカップルはアイスクリームのシュゼットみたいなものを頼み、リキュールを垂らし炎の出る華やかな(昔ながらの、ともいえる)プレゼンを楽しんでいた。デートだね。
いやはや、ロシア風のゴージャスな料理を堪能できた。
3階は一人2万円~~(ワインを頼めばもっとかかる)するけれど、1階はカフェとしての利用ができてお手軽みたいだ。
そういえば、フランス料理の原型はロシア料理にあると昔勉強した。
そういう雰囲気を体験できるこの店はおすすめかもしれない。
こちらは日露フォーラム会場内にあったキャビアの販売ブース。50g13,000円。100g17,500円、500g80,000円、1000g16万円弱、という感じ。
安いのか高いのか・・・・。種類はオシェトラ。
同じく会場内にあるスーパーマーケット。
お酒売り場はウォトカ、ワインとすごい品ぞろえだ。
もちろんウイスキーも人気。
日本産ウイスキーもちゃんとある。
白州が13,000円、白州12年が16,000円、白州18年が5万円。竹鶴21年が63,000円くらい。
食料品も豊富で清潔に売られている。お惣菜やハムソーセージ類もおいしいそう。野菜も果物も新鮮できれい。
ロシアってこんなところだったんだ・・・・。
ガイドのガリーナさんによると「ペレストロイカから30年。私たちは急速に変わりました」と。
街には携帯片手に高級車に乗って通勤する人がたくさんいるし、町を歩く女性はとてもファッショナブルだ。
パネルディスカッションの際のネームプレート。
これで「ともだあきこ」と読む。
ショートスピーチ前に昼食。
前菜にサラダを食べることが多い。
味わいについてやロシア料理のマナーは、こちら「おいしいラク学講座」に詳しく書いたので見てくださいね。
ちなみに「樽」という名前のこのレストラン、味付けは日本人好みでとてもおいしい。店内もきれい。
観光の際にはお勧め。クラウンプラザホテル前。
はい、でた、ボルシチ。
サワークリームを入れて。美味しい。
さらに視察。
ここはロシア外務省。
スターリン時代の荘厳な建物。
こちらは町中の高級スーパー。お惣菜売り場。
ヨーロッパスタイルの販売でどれもおいしそう。種類もとても多い。
チーズの種類も半端ない。
ビール。これまたものすごい種類。
アサヒビールもありました!
地下のファストフード。ピロシキと一言で言ってもいろんな種類がある。
果物や野菜も豊富。
魚売り場には燻製ものがたくさん。
これはロシアならではかも。
生魚も豊富。ちょっと匂う。しかしきれいに売られている。
(見にくいけど)こちらはチョウザメ。キャビアだけでなく身も人気のようだ。
イクラ。美味しそう。
キャビア。
ベルーガ125g4万円程度。オシェトラ100gで27,000円程度。
こちらはもっと上質のものか。
スーパーで普通に売られているのがさすが。
外務省近くにある高級スーパー。見た目はスーパーか何かわからんね。
こちらは最後の夜に行ったイタリアン。
ロシアでなぜイタリアンなのか。
それは、モスクワは各国料理がたくさんあるから。
ロシア式イタリアンもまた一興ってことで。
ここはきれいでサービスも行き届き気持ちいい。中庭にもテーブル席があり雰囲気がいい。
サラダ、パスタ(キノコソースのパッパルデッレはかなりおいしく、ヴァルポリチェッラとの相性が抜群、忘れていたな、このおいしさ)、アンガスビーフのヒレとタコの炭火焼き。
おいしい。
東京ではほとんど行かないイタリアンだけど、久しぶりにイタリア料理がおいしいことを思い出させてくれた。
最後にこれは一般の食堂で食べたペリメニ。まさに水餃子。醤油とお酢と辛子があれば、東京のその辺の中華料理店の水餃子と何らかわらない味になる。ちょっと違うのはサワークリーム(スメタナ)をつけるところ。壷に入っているのは冷めにくいため。
あ~あ、ごちそうさまでした。今回もよく食べました。
しかし、街にはマックもケンタもサブウェイもスタバもごくごく普通に、それもあちこちいたるところにあることに驚いた。世界各国の専門料理店もそこらじゅうにある。和食店は市内1000店あるという。
テレビを見れば、化粧品や時計に宝飾品、ファンション関係のCMがバンバン流れている。
昔本で見たロシアの重苦しい雰囲気や食料を求めて長蛇の列を作る人々など、皆目、まったく、100%、どーっこにも、見当たらない。
街は明るく清潔で、治安もいいという。
完全に資本主義国ロシアだ。
でもガリーナさん曰く、「昔のロシアのほうが優しかった」と。
そうなのか・・・。
人間にとってどういう社会が一番いいのだろうか。
果たして21世紀これからの地球は、人類は、どうなっていくのか、
・・・などとちょっと難しいことを考え眉間にしわを寄せながら、帰りの空港では「TGIフライデーズ」でフレンチフライをつまみキアンティを飲みつつ、ロシアを後にした、資本主義まみれの私であった。
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