ミシュランの星が三っつついていないこと、
食べログなどで「料理が古臭い」と書かれていること、
あたしゃ、どちらも納得できないね。
なにせ、帝国ホテル、今年で開業120周年なのだ。
帝国ホテルメンダイの料理は、
古式ゆかしい、伝統フランス料理でなくてはいけない。
古臭いのではなく、古典的なのだ。
「味が重い」と評されたりしているが、
重いのではなく、濃縮感があるのだ。
フランス料理はこうでなくっちゃ。
巷で人気の町場のフレンチみたいに、
なにを食べているのかわからないほど小さく切った肉やら魚を、
ちょびちょび並べ、
しまりのない薄ら甘いソースが、
彩りだけは鮮やかにかかっている、
前菜なのかデザートなのかわからないような、
あいまいでちまちました料理よりも、はるかにいい。
そんなちまちま料理を出すフレンチと名乗る店には、
星が三個ついていたりするから、わからんものだ。
本当は、一皿に一皿に力がこもっているアラカルトでいきたかったけど、
今日は、「魚のコース料理」。
最初は鰯。
シャンパーニュの酸味とよく合う。
クリーミーで濃厚なスープは、ヴォワザンシェフの得意な味。
(と思う)
ソムリエの桜木さん。
帝国のソムリエチームは、規律正しく、ホテルマンらしい清潔さがあるし、
ソムリエコンクールでも、みんな、高成績を残していて、優秀。
こういうところも、お客様に、知ってほしいところ・・・・。
あわびは、黒あわびの刺身が一番好きだけど、
ここちいい弾力と噛むとむわ~っと出てくる旨味が、
やっぱり最高。
淡白なようで、実は濃厚な香りと旨味があるあわびには、
白ワインではなく、赤ワインが正解。
ぶりぶり感と濃縮したソースの絡み合いが、ス・テ・キ。
こちらも引き続き、熟成した赤ワインで。
コンテとエポワス(だったかな)。
どちらもちょうどいい熟成状態。
ヴォルネイ。畑はカイユレ。
1996年で、適度な熟成感でおいしい。
柔らかいながら、ヴォルネイらしいスパイシーさと芯みたいなものがあり、
いいバランス。
濃すぎず、優しい味わい。
これだけでも、デザートとして楽しめるし、
フランス人なら、食前酒って感じの軽さ。
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