2015年8月5日水曜日
リーファーワイン・アソシエーションが発足しました
リーファーワイン・アソシエーション。
「生産地からのリーファーコンテナ海上輸送を原則とし、倉庫、輸送、料飲店・酒販店、そしてグラスに 注がれるまで、一貫して温度管理された、まさに“蔵出し鮮度”をもつワインをリーファーワインと呼び、さまざまな啓発活動を通じてインフラの整 備、研究・開発などに寄与」することを目的として発足した協会。
発足記念講演会と比較試飲会に出席した。
講演は農学博士の戸塚昭先生。
タイトルは「~幸せな人を不幸にする研究~ ワインの劣化現象を科学する」。
「幸せな人」とは、『ワインは嗜好品だから、品質は自分が判断すればよい。≪自分の好きなワインが良いワイン≫だ』という≪暴論≫で、これに≪洗脳≫されている人のことをさす、と先生。
この幸せな人が「幸せな評論家」、「幸せ売りの先生」となり、「新たな幸せな人」を生み出している、とも。幸せな人は往々にして声が大きい、とも。
さらに、≪欠陥≫は≪個性ではない≫と。これは昔からおっしゃっている。
ワインをひとに伝えることが多い職業柄、ここのところはいつも気にしているつもりだ。
数々の検証からリーファーワインとドライワイン(リーファーを使用せずに輸送されたワイン)の違いが説明された。
ちなみに、白ワインは、思いのほか、この両者の違いがないそうである。なんと・・・・。これがなかなか悪くならない(少しの変化は見受けられるが、劣化サンプルとしてはかなり微妙な差)ので、苦労する。思い返せば白ワインで行っていた。なるほど・・・。
赤ワインのほうが、その差が大きくわかりやすいのだとか。へ~。赤ワインのほうが強いイメージがあるけれど・・・。これは気をつけなければいけない。
講演の後は、比較試飲。リーファーワインとドライワインをテイスティングする。
コメントはシニアソムリエの下野隆祥氏、林彰男氏。姿勢を正して行うのが正しいテイスティングと。
この赤ワインは、答えを聞くまでもなく、どちらがリーファーワインで、どちらがドライワインかはすぐ分かった。リーファーのほうは、果実の生き生きとした香りや味がしっかりある。一方ドライは、香りがダレて、日向のような、焼けた麦わらのような香りになっており、味わいもフレッシュ感がなく、後味に苦味が感じられる。
しかし比べるからわかる訳で、ドライワインだけだと、もしかしたらわからないかもしれないし、多少悪くなっているなと思っても、そのまま飲んでしまうだろう。
現実にはここが難しいところだ。
また、参加されているインポーターさんの質問も実に悩ましい問題。
「うちはしっかりリーファーで輸入し倉庫も温度管理して、細心の注意を払っている。しかし、購入者のお酒屋さんや飲食店で、温度管理していないところに置かれてしまい、大変残念なことになる。これはどうしたらいいのか」
最近人気のワインビストロでは、店内の壁にボトルをずらり並べ、「お好きなものを手に取ってお選びください」的な売り方をしている店がある。
夏場は結構な室温になる。ランチのない店だと、閉店後から夕方まで店内はクーラーがないだろうから、相当高温になっているだろう。
スーパーでワインを置いているところがかなり増えたが、閉店後はどんな温度になっているのか。ここも気になるところ。
講演を聞き、試飲を体験したら、なんだか、いろんなことが心配になってしまった・・・・。
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